日本の文学賞(国内)

日本にはたくさんの文学賞があります。次に読む本を選ぶときの参考になるので、チェックしている本好きさんも多いことでしょう。また、作家さんにとっては、名前を知られるきっかけにもなります。

本記事では、日本の有名な文学賞をいくつかご紹介していきます。

各賞を受賞した代表作も併せてご紹介するので、次の読書の際の参考にしてみてくださいね。

直木三十五賞(直木賞)

まずは有名な直木賞。1935年に創設された文学賞で、「直木三十五賞」とも呼ばれます。

小説家であった直木三十五の業績を讃える形で、菊池寛氏が中心となり設立されました。直木三十五は、日本を代表する小説家のひとりであり、また、映画監督や脚本家としても名を残す生粋のクリエイターでした。

直木三十五が得意としていたのが大衆小説であったことから、直木賞では、同様に大衆小説が選考の対象となっています。

おもな受賞作としては、東野圭吾の話題作『容疑者Xの献身』(2005年)や、池井戸潤の『下町ロケット』(2011年)があります。

大衆小説ということもあり、受賞作品は万人が読みやすいストーリー&タッチの小説が多く、ドラマ化や映画化もこれまで多くされています。

芥川龍之介賞(芥川賞)

芥川賞(正式名称は「芥川賞龍之介賞」)もよく知られていますね。直木賞と同様に、1935年に菊池寛氏によって創設されました。

直木賞との大きな違いは、芥川龍之介賞の選考対象が「純文学」であることです。ストーリーの面白さが重視される直木賞よりも、文章の完成度や高い芸術性が評価されます。

また、知名度のある小説家ではなく、無名の新人純文学作家が選ばれることになっており、日本の純文学小説家にとっては登竜門のような文学賞です。

2015年度には、お笑い芸人の又吉直樹さん作『火花』が受賞作となり話題となったのが記憶に新しいところです。

谷崎潤一郎賞(谷崎賞)

正式名称を「谷崎潤一郎賞」という谷崎賞は、中央公論社が創業80周年を迎えたこともあって1965年に設立しました。谷崎潤一郎は、明治から昭和にかけて精力的に作品を残した、日本文学の重要作家のうちの一人です。映画化された作品も多くあります。

選考対象となるのは、その時代を代表とする小説・戯曲であり、審査は中央公論社にて行われます。おもな受賞作には、1985年度の村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などがあります。